2011年4月14日木曜日

英米人とのビジネス交渉に勝つ=論理戦を切り抜ける「3重のWhy」

 国際ビジネスを勝ちぬく交渉術について今日はお話しします。「英語の方が日本語より論理的であるから、常にWhy-Becauseで考えよ」と言われています。ここではもう一歩踏み込んで、3回続けてWhy と聞かれても大丈夫なだけの準備をすることを薦めます。これができれば、あなたはそれだけで優秀なビジネスマンです。
 これを具体的に解説します。今、自社のソフト開発技術を欧米企業に売り込もうとしているとしましょう。
自分:「当社の技術を使えば、ソフトの開発コストをライバル企業に比べて格安にできます」
相手:「どうしてですか (Whyその1)」
自分:「例えば会計のソフトなら、他社での開発実績を蓄積しています。それを生かすことで工期を大幅に短縮できるからです」
相手:「過去の蓄積があるとどうして工期が短縮できるのですか (Whyその2)」
自分:「会社の基本的な経理の仕組みはどこでも同じです。基本設計がまるまる再利用できるからです」
相手:「基本設計が同じだと、どうして工期が大幅に短縮できるのですか? 基本以外の部分(詳細設計)は違うから、全体ではあまり工期短縮にはならないのではないでしょうか。(Whyその3)」
 といった具合です。
 このWhyの3番目にちゃんと回答ができれば、だいたいの場合は相手からの攻撃をかわすことができます。英米人はそれでもまだWhy攻撃をしかけてくるでしょう。その際は、「そこは当社のノウハウなんですよ」で済みます。
 往々にして、日本人はWhy攻撃に早々と答えられないのです。途中で言葉につまると、自信がないような印象を与えてしまいます。Whyその1あたりの質問(どうして格安にできるのか)の回答に、「そこは当社のノウハウなんですよ」と言ってしまったら、「こいつと話しても仕方がない」と馬鹿扱いされるでしょう。これに対してアメリカ人はWhy乱用の文化ですから、どこまでもBecauseの回答を用意しています。
 しかし、3回かわせば、相手から「合格」だと思ってもらえます。負けないためには、最低3回Whyが繰り返されても大丈夫な対策を立ててください。
 別の言い方をすれば、いくら英語ができても、答えるべき中身がなかったならば、話にならないということです。

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