2011年5月27日金曜日

コメディは「聞く」に最高の教材だ

 お薦めの教材はコメディです。米国を中心に、シットコム(sitcom)というコメディが盛んです。

 皆さんが日本のテレビのチャンネルを回して、2人の男性がまくし立てるように話すのが見えたら、「これは漫才だ」ととっさに思うでしょう。また、男性がひとり着物姿で正坐をして話しているのが目に入ったら、それは落語に決まっています。同じように、シットコムも見た瞬間に見分けがつきます。大概の場合は家の中で家族や友人が何やら話しています。しかも、いつ見ても同じ部屋や場所で、数秒に1回観客の笑い声が聞こえます。

 これは米国版の漫才、落語のようなものだと考えてください。ユーモアやジョークがふんだんに登場します。最初のうちは言葉の意味がすべて分かったとしても、どうして面白いのか分からないところがたくさんあります。でも、そのうちに自分でも笑えるようになります。英米のジョーク文化を学ぶにはもってこいです。

 シットコムの難しさは早口で話すことが多いところです。ニュースを読むアナウンサーのように、一定の速度で明瞭な発音のもとに話すわけではありません。NG集を見ると、俳優たちが「このセリフ、(速すぎて)舌が回らないよ」と言っているシーンによくぶつかります。そんなわけで、ニュース番組に比べれば理解度が落ちます。ニュースが8割聞き取れる人でもシットコムだと5〜6割になってしまうかもしれません。

 ただし、助かるのはセリフごとにポーズがあるところです。落語や漫才のように、視聴者が笑っている間を取っているわけです。その間に「今の発言はどういう意味だったっけ?」と考えをめぐらすことができます。

 「シットコムが早口過ぎるとしたら、ニュース番組の方が初心者向きではないのか」という疑問を持つ方もいるでしょう。繰り返しになりますが、ニュースは面白みがありません。よほどの大事件でもない限り、ついつい引き込まれてしまう、ということがありません。

 英語の学習に当たっては「何が効果的か」という発想は捨ててください。「何が続けられるか」がポイントです。

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